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狭帯域多波長計測とピラミッドマッチングを用いた柔軟組織追跡

田村 祐樹, 大阪大学大学院 修士学位論文, Feb. 2017.

研究概要

近年,臓器変形の追従を伴う手術支援システムの実現が期待されている.手術中映像に映し出された臓器の変形を捉え,バーチャルの臓器モデルを変形させて重畳することで臓器の内部情報を可視化し,手術者を支援するものである.このようなシステムを実現するためには,柔軟組織を頑健かつ密に追跡する手法が求められる.本研究では,形状変化に対して頑健な追跡手法として,狭帯域多波長計測とピラミッドマッチングに基づく追跡手法を提案する.狭帯域波長計測では,光の物体内に入り込む深さが波長に依存して異なる性質を利用し,また照射する波長帯域を狭く絞ることで,組織を強調して波長ごとに異なる画像を取得することが可能である.また,ピラミッドマッチングを用いて探索領域の階層化を行うことで,頑健かつ密な追跡を可能とする.まず各狭帯域波長で得られた画像の空間周波数の特性を解析し,長波長画像や短波長画像のもつ大域的あるいは局所的な領域情報を調査した.これより,短波長画像は高周波成分をより多く持つことが分かり,局所的な領域情報を持つことが確認された.評価実験では,引張試験機を利用して計測した鶏の肝臓の変形画像シーケンスに対して,単一波長画像を用いてマッチングを行うよりも,頑健かつ密にマッチングを行うことができる波長の組み合わせを確認した.この際,ピラミッドの下位レイヤに局所領域情報を取得できる短波長画像を用いた場合に,より誤差の小さいマッチングが行えることを確認した.追跡においては,フレーム間マッチング同様下位レイヤに短波長を用いた場合により誤差の小さい結果が得られ,長波長を用いた場合にはより誤差が大きくなる結果が得られた.以上より提案手法を用いることで,柔軟組織画像間において頑健で密な領域のマッチング・追跡が達成されたと言える.

関連論文・発表

  • "Feature detection in biological tissues using multi-band and narrow-band imaging", International Journal on Computer Assisted Radiology and Surgery (CARS), DOI: 10.1007/s11548-016-1458-4, Jul., 2016.
  • "Feature Detection with Multi-Band Imaging for Tracking Non-rigid Biological Tissues", 生体医工学シンポジウム, 2015.