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拡張現実感における音声注釈情報取得のための仮想マイクロフォン

馬渡 隆行, 大阪大学 特別研究報告, Feb. 2004.

論文概要

拡張現実感 (AR: Augmented Reality) に関する研究の多くでは,ユーザの装着したHMD (Head Mounted Display) にアノテーション (注釈情報) など様々な視覚情報を提示することで,ユーザの実空間における活動を支援している.しかし,視覚のみによる情報提示は一般的にHMDの視野が狭いため,一度に表示できる注釈の数には制限があり,多量の注釈情報を表示しようとすると視界が覆われてしまうという問題があった.一方,3 次元仮想音源を用いた情報提供に関する研究では,聴覚を用いた AR システムが実現されている.これらのシステムでは,立体音響を用いることで,ユーザが向いている方向に関係なく情報を効率よく提供できるが,ユーザ毎にシステムのチューニングが必要であるなど課題も多い.本研究では AR 環境において,視覚と聴覚を相補的に用いて情報を提示し,さらに離れた場所の音声注釈情報を取得する仮想マイクロフォンシステムを構築する.音を利用することで,視界の混雑を避けることができ,視野外の情報をユーザに提示できる.したがって,提案システムでは,通常の AR システムにおいて注釈が視界を覆ってしまうという問題も,HMD に表示する注釈を制限しながら音を用いて情報提供することで解決できる.本報告では,音声注釈情報と仮想マイクの位置や方向などのデータ構造の設計について説明し,必要な音声注釈情報のみを取得するための仮想マイクの機能について述べる.またシステムの有効性を確認するために行った評価実験の結果について述べる.評価実験では音声注釈情報を使用することにより,視野外の注釈を探す際に聴覚情報を利用して,視界情報のみの場合より首を振る頻度が減少することが確認された.つまり,視覚と聴覚を相補的に使用する注釈提示手法は,視覚のみに注釈を提示する場合より有効であることを実証した.(pdf file)

関連論文

  • "拡張現実感における音声注釈情報取得のための仮想マイクロフォンの提案", 電子情報通信学会 総合大会講演論文集, A-16-37, Mar. 2004. (pdf file)