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ウェアラブルシステムのための画像マーカを用いた計測範囲の拡張が容易な屋内位置検出機構

羽原 寿和, 大阪大学大学院 修士学位論文, Feb. 2004.

論文概要

現在,携帯電話を利用したユーザのナビゲーション支援などユーザの位置情報を利用したサービスが注目されている.これらのサービスに対してユーザの位置情報の取得は不可欠な要素技術である.屋外でのユーザの位置情報取得はGPSを用いるのが一般的であるが,GPSは屋内での利用が困難であるという問題がある.これに対し,磁気や超音波等のセンサーを利用して屋内で位置情報を得る手法が多く存在する.しかし,一般的にそれらのデバイスは高価で,位置検出可能な範囲が狭いという問題がある.また,高価なデバイスを用いない位置検出手法として,環境内で事前に位置計測がなされた位置にマーカを設置し,カメラとマーカとの相対位置情報を求めることでユーザの位置検出を行うものが存在する.これらの手法は,計測範囲を拡大する際に全てのマーカ設置場所に対して位置測定を行わなければならず,手間が掛かるという問題がある.そこで,我々はこれらの問題を解決するための,利用可能な範囲を容易に拡大できる屋内位置検出機構の構築をした.本手法では,環境に多数の画像マーカを配置し,ユーザがカメラを搭載したヘルメットを装着し,カメラで画像マーカをとらえることでユーザの位置情報の推定を行う.また,ごく一部の画像マーカのみ事前に位置情報を測定し,その他の画像マーカの位置情報は,周囲の画像マーカの位置情報を利用して相対的に求める.これにより,位置検出範囲内に画像マーカを設置する際の手間が,全ての画像マーカの位置情報を事前に測定する手法に比べ少なくて済む.さらに,既に配置されている画像マーカの周囲に画像マーカを追加配置するだけで計測範囲の拡張が可能である.また,アプリケーションの要求する位置・姿勢推定精度が低い場合は事前に位置を測定する画像マーカの数を減らすことでマーカの設置の際の手間を削減するなど,要求される位置・姿勢精度に応じて,設置コストを柔軟に変更できる.本機構の評価を行うために幾つかの実験を行った.CGで作成した入力画像を用いたシミュレーション実験では,ユーザの位置情報に対し,移動距離の3%の誤差が生じた.また,実環境でカメラを固定した際の推定位置変動の標準偏差は約30mmであり,実環境でカメラを移動させた際のユーザの推定位置に対する誤差は,最大でユーザの移動距離の約30%となった.また,本機構は秒間約10回で位置検出が可能であるので,リアルタイム性が要求されるアプリケーションでの使用が可能である.(pdf file)

関連論文

  • "ウェアラブル PC のための画像マーカを用いた広域屋内位置検出機構", 電子情報通信学会 技術研究報告, IE2003-211, Feb. 2004. (pdf file)
  • "ウェアラブル PC のための画像マーカを用いた屋内位置検出手法とその評価", 情報処理学会 全国大会講演論文集, 3T4B-3, Mar. 2003. (pdf file)
  • "ウェアラブル PC のための画像マーカを用いた屋内位置検出", 日本バーチャルリアリティ学会 大会論文集, pp. 335-336, Sep. 2002. (pdf file)
  • "画像マーカを用いた屋内位置検出機構とその評価", 電子情報通信学会 技術研究報告, MVE2002‐45, Jul. 2002. (pdf file)
  • "ウェアラブル PC のための画像マーカを用いた屋内位置検出機構の試作", 大阪大学 特別研究報告, Feb. 2002. (pdf file)
  • "Indoor Localization using IR Markers for Augmented Reality", Demonstration Booklet of Int. Workshop on Man-Machine Symbiotic Systems(MMS-WS), Nov. 2002. (pdf file)